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ポルシェ928がオシャレになったッ・・・!フランスより928のレストモッドが登場、内外装ともレトロフューチャー、そしてコンセプトカー風の仕上がりに
■傾く人生 歌舞伎道 銀座・成田屋のトピックス
当時のポルシェ928のエンジニアがこのクルマを見たら「こんなクルマを作りたかった」と言うかもしれない
実際にこのポルシェ928は6月下旬から受注開始、2024年から納車の予定
さて、フランスのスタートアップ、ナルドン・オートモーティブ(Nardonne Automotive)がポルシェ928のレストモッド(レストア+カスタム)を発表。
ポルシェのレストモッドというとやはり空冷911を芸術的に仕上げるシンガー・ヴィークル・デザインが有名ではありますが、最近だとやはりフランスのラール・ド・ロートモビル(L’Art De L’Automobile)が968のレストモッドを公開したりしていて、911以外にもその対象が及びつつあります。
ポルシェ928はこんなクルマ
そして今回のレストモッドのベースになった928についておさらいしてみると、1977年に「911の後継モデル」となるべく登場したブランニューモデル。
V8エンジン、ヴァイザッハアクスル(後輪ステアリング)、トランスアクスル、そして豪華なインテリアに快適装備が与えられた結果、”非常に”高価なクルマとなってしまい、そして911の持っていたピュアさとは異なる路線であったため、ポルシェ(911)ファンはこれを911の正当な後継モデルとは認めず、よって911はそのまま存続することとなったわけですね(911をブランドのコアとしている現在のポルシェからすると、928を911の後継にしようと考えたというのは信じがたいことではあるが)。
ただ、こういった路線をポルシェに求める人々が少なからず存在したという事実を証明したクルマでもあり、結果として「928」「928S」「928S2」「928S4」「928GT」「928GTS」と進化しつつもバリエーションを追加し、1995年に至るまで長寿モデルとして販売されることとなっています(総販売台数は6万台程度)。
ナルドン・オートモーティブ・ポルシェ928はこんなクルマ
そこで今回発表されたナルドン・オートモーティブ製のポルシェ928を見てみたいと思いますが、まずはオンラインにて公開され、その後6月23日から英国グッドウッドにて開催されるフェスティバル・オブ・スピードにて展示され受注を開始する、とのこと。
現時点では価格や納車時期などは未定ではあるものの、「これを購入できる」というのは大きなニュースだと言えそうです。
オフィシャルフォトに用いられた928がどの世代のものであるのかはわかりませんが(S4の可能性が高い)、ナルドン・オートモーティブによると、搭載されるのはポルシェ製の自然吸気V8エンジンであり、最新のマネジメントシステムによって400馬力を発生する、とのこと(928の最後の世代、928GTSよりも60馬力出力が高い)。
そのほかリミテッド・スリップ・デフが装備され、容量が拡大されたブレーキ、電子式ダンパーコントロール、電動パワーステアリングが採用されています。
ナルドン・オートモーティブ・ポルシェ928の外装は「現代風」「レトロフューチャー」
このポルシェ928レストモッドのボディパネルはカーボンファイバー製に改められているといい、大きく変化があるのはフロントバンパー、そして前後フェンダー。
フロントバンパーはスムーズな形状へと改められ、上部には924GTS同様の「4連スリット」が与えられ、一方で下部の開口部は小さく。
ウインカーやポジションランプはオリジナルの928同様のイメージを踏襲するものの、「枠」部分が発光するデイタイムランニングランプが組み込まれています。
前後フェンダーは大きく、しかしなめらかに拡大され、強調されたロングノーズ、そしてこのワイド感によって「より928らしく」。
ホイールはもともとの928に採用されていたディッシュホイールを現代風に解釈した18インチサイズで、よりシンプルなデザインとなっています(ただ、外周部分の折り返しなど、意外と複雑な構成を持っている)。
テールランプは現代のポルシェ風の「LEDバー」。
その下のスリットが未来的なイメージを演出していますね。
ヘッドライトは当時の928そのままの「ポップアップ」、内部にはクワッドLED。
ただしその構造をあえて見せているところはオリジナルの928とはことなるところで、ハウジングの後ろには放熱のためのフィンが設けられています。
ナルドン・オートモーティブ・ポルシェ928の内装もやはりレトロフューチャー
そしてこちらはナルドン・オートモーティブ・ポルシェ928のインテリア。
オリジナルの雰囲気を色濃く残しつつもフォグリッツォレザーまたはアルカンターラで覆われ、全体的にシンプルな構成を持っています。
特筆すべきはそのメーターで、中央には高級聞き式腕時計を連想させるアナログメーター(パワーオンでスケールが浮かび上がるものと思われる)、そして両脇にはドットを使用したデジタルメーターが設置され、1970-1980年代に考えられた「未来のクルマ」といった雰囲気です。
トランスミッションは当時の5速から6速マニュアルへ。
センターコンソールには金属製のパネル、そしてシフトノブも金属製に変更され、内外装において、あえて「重厚感」を見せる演出が採用されているようですね。
エアコンの操作パネルは「ダイヤルにスライダー」というレトロな仕様を持ち、その下にはライティング類のスイッチ、さらにその下にはポルシェの「レトロフィット」PCCMメディアシステムが埋め込まれ、Apple CarPlayにも対応します。
サイドシルにはイルミネーション内蔵のプレートが埋め込まれ、カーペットの毛足は長くなっていることもわかり、当時ポルシェが目指した「豪華なGTカー」というコンセプトを現代の技術やクラフトマンシップによって、”さらなる高み”へと押し上げた一台であるようにも思えます。