傾く人生 歌舞伎道
  • 市川海老蔵・堀越勸玄が襲名を発表「新年号の團十郎になれたら」

    ■傾く人生 歌舞伎道 銀座・成田屋のトピックス

    左から、八代目市川新之助を襲名する堀越勸玄、十三代目市川團十郎白猿を襲名する市川海老蔵。

    市川海老蔵の十三代目市川團十郎白猿(いちかわだんじゅうろうはくえん)襲名および長男・堀越勸玄の八代目市川新之助襲名を発表する記者会見が、本日1月14日に東京・歌舞伎座で行われた。

    会見には海老蔵と勸玄、松竹の迫本淳一代表取締役社長、安孫子正副社長が登壇。まず海老蔵が、「このたび、十三代目市川團十郎白猿を襲名させていただく運びとなりました。歌舞伎界にとって大変大きな名跡でございます。このうえは己の命の限り、懸命に歌舞伎に生きてまいりたいと思う所存です。まだまだ未熟ですが、何卒ご指導ご鞭撻をひとえに、そしてお見捨てなきよう、よろしくお願い申し上げる次第でございます」と挨拶する。また勸玄も「このたび、父も名乗っておりました、市川新之助の名跡を八代目として相続いたします。どうぞよろしくお願いしいたします」と続き、2人は深々と頭を下げた。

    市川海老蔵

    白猿は、五代目團十郎が「祖父や父にはおよばない」と用いた俳名。海老蔵は「私も祖父や父にはまだまだ足元にもおよばない、これから精進していこうという気持ちを込めまして、俳名として付けさせていただくことになりました」とその由来を説明する。

    堀越勸玄

    続く質疑応答で、記者から團十郎の名跡の重みを問われた海老蔵は、「なってみないとわからない、計り知れない重みがあると思う。あと1年は海老蔵でいられるので、できれば成田山新勝寺へ修行に行ったり、お稽古事も最初から見直したりできれば」と語り、「今回の襲名を一番報告したいのは父と(妻の小林)麻央。直に伝えられませんが、お墓参りに行き、今日も出かける前に『この日が来たよ』と遺影に手を合わせてきました」と胸の内明かす。さらに、「團十郎のイメージを大事にしながら古典と向き合っていくと同時に、平成の時代に海老蔵であったことが影響をおよぼす、新年号の團十郎になれたらと思います」と真剣な表情で抱負を述べた。

    左から堀越勸玄、市川海老蔵、迫本淳一代表取締役社長、安孫子正副社長。

    勸玄の襲名については、「彼は新之助よりも海老蔵を継ぎたかったようなのですが、新之助という段階もあると説明したら、『まあ、わかりました』ということで(笑)」と父の立場から苦笑してコメントしつつ、「(勸玄が歌舞伎俳優としてどうなっていくかは)本人がどのような気持ちで歌舞伎と向き合っていくかということだけだと思います。成長していくうえでさまざまなことがあるかと思いますが、逃げずにそれをどう受け止めていけるかが、彼の人生に関わってくるのかなと」と、隣の勸玄を温かい眼差しを送った。

    市川海老蔵

    一方の勸玄は、やってみたい演目に舞踊の「玉兎」や「極付幡随長兵衛」を挙げると共に、「遊びと稽古どちらが楽しいですか?」という記者からの質問には、「お稽古」と頼もしく回答し、会見場を和ませた。

    左から堀越勸玄、市川海老蔵。

    十三代目市川團十郎白猿襲名披露興行は、来年2020年5月の東京・歌舞伎座公演を皮切りに全国にて行われる。

    引用:ステージナタリー
    https://natalie.mu/stage/news/315956

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