傾く人生 歌舞伎道
  • 歌舞伎俳優 中村獅童×開化堂 八木隆裕が語る、BMW M235i xDrive グラン クーペ の真価|BMW

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    伝統を守りつつ果敢に進化する2人が語る、Mモデルの真価

    当代きっての歌舞伎俳優である中村獅童さんと、京都の茶筒工房「開化堂」6代目の八木隆裕さん。伝統の世界で熟練の域に達しつつも、研ぎ澄まされた感性で革新をつづけ、新たなる価値を創造する2人が、同様にBMWの熟練の技と最先端テクノロジー、そして研ぎ澄まされた感性により生み出された最新のMモデル「M235i xDrive グラン クーペ」をドライブ。その真価を語った。

    こだわりのディテールに作り手の魂を感じる

    スナッパー・ロック・ブルーのBMW「M235i xDrive グラン クーペ」を傍らに、歌舞伎俳優の中村獅童さんと、京都開化堂六代目 八木隆裕さんが何やら話し込んでいる。

    獅童 「クルマのデザインのどこを見るかというと、僕はまずサイドライン。ショルダーの張りとか、躍動感とかスムーズな流れとか。このクルマのボディカラー、ブルー系のメタリックにもこの凝縮感のあるパワフルなラインは、良く合っていますね。すごくきれい。こだわりのディテールも随所にあるし、作り手の魂を感じます」

    八木 「そうですね。僕も獅童さんもほぼ同年代で、クルマ好きな点も共通していますが、それでも好きなラインとか好きなアングルとか、違うんだなと話すうちに分かりました。でもこのクルマに関しては、僕も凝縮感と力強いサイドラインに惹かれました。ファサードがミラーのように映り込む建物の横を通ったとき、自分で運転しながらちょっと見とれてしまいました。

    開化堂は145年前の創業以来、京都で茶筒を手造りしている。八木隆裕さんは、その茶筒を世界に売るためミラノサローネに出展したり、コンテンポラリーなカフェをオープンさせたりと六代目ながらアグレッシブだ。

    かたや中村獅童さんは歌舞伎俳優として押しも押されもせぬ人気を誇る一方、初音ミクとの共演の六月超歌舞伎を京都南座にかける(残念ながら新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い中止となってしまったが)など、新たな観客を招く舞台を創造している。伝統を守り果敢に進化させる二人の研ぎ澄まされた感性に、BMWならではのモータースポーツの遺伝子を持つこのMモデル、BMW M235i xDrive グランクーペはどう響いたのだろうか。

    獅童 「新しいことをやって、新しいお客さまを劇場にお招きしたい、というのは常に意識しています。よく伝統と革新といいますが、そのバランス、さじ加減が本当に大事です」

    茶筒は伝統の手法に則り、130の工程をすべて手作業でつくりあげられる

    八木 「すごくよく分かります。うちの茶筒も130ほどの工程があって、すべて手作業で仕上げています。そこは変えない。昔から作っている茶筒の寸法もディテールも変えません。その上に一つでも新しいものを創れ、次の代に残せることができたら、僕の代になってよかったと言ってもらえるんじゃないか、と思っています」

    獅童 「BMW M235i xDrive グラン クーペをドライブしてみて、自動車も同じなんだ、と分かりました。やはりBMWとしての伝統があって、その伝統を守りつつ最先端のMモデルで走りもデザインも今の時代にズバッと切り込んでいる」

    八木 「なるほど。確かにアクセルペダルを踏んだときの気持ちよさ、ワクワク感はさすがBMW、さすがMモデル、という感じがありましたね」

    熟練と感性のたまもの

    M235i xDrive グラン クーペのテストドライブを楽しんだ二人は、獅童さんのホームグラウンドである、東京は東銀座の新橋演舞場に場所を移した。1,424席ある客席の最前列の二席、幕の開いた休場中の舞台を見上げながら、話は続く。

    獅童 「スポーティな血統、まぁ伝統と言ってもいいでしょう。そこに新しいテクノロジーが加えられ、ワクワク感が増している。それはやっぱり僕らと同じで、大切なのはそこのさじ加減だと思う。BMWというブランドには独特のスタイルがある。その筋の通し方がいまの時代にあって本当にカッコいい。特にMモデルのさじ減はさすがだと思います」

    八木 「おっしゃる通りです。伝統を支えるのは、獅童さんや僕らの世界と同様に、ある意味で熟練ともいうべきものの積み重ねだと思いますし、新しい時代へと革新していく原動力は、もちろんテクノロジーです。しかし、獅童さんがおっしゃられたようにワクワク感というか、乗り手に感動を与えることができるのは、やはりBMWの伝統と革新を担うエンジニアたちの研ぎ澄まされた感性があってこそだと思います」

    そう語る八木さんもまた、茶筒の素晴らしさを世界に知らしめる傍ら、日々工房での茶筒づくりにも余念が無い。そこには五代目である父の姿もあるし、その先代、先々代が丹精込めた茶筒が修理に持ち込まれることもある。そこでは熟練の技をいかんなく発揮している。

    ブリキ製の茶筒。左は100年前のもの。エイジングを楽しみながら何世代にもわたって愛用できる

    開化堂の茶筒はふたを胴の口に合わせると、ふたのわずかな重みのみでスーッと落ち、自ら閉まる。そこにはプロダクトとしての高い精度はもちろん、何年もかけて身につけた感覚、感性が不可欠だ。開化堂の茶筒もまた、熟練と感性のたまものなのだ。

    そして。伝統を重んじることと新たな挑戦。話がそこに至ると、二人の間を幾度となく「さじ加減」「バランス」というフレーズが行き来した。BMW M235i xDrive グラン クーペもまた、伝統と革新における「さじ加減」「バランス」のモデルなのだという。

    獅童 「大切なのはそこのバランスですね。……バランスといえば、またクルマの話に戻りますが、このクルマ(BMW M235i xDrive グラン クーペ)は、スパルタン過ぎないところも良かった」

    八木 「確かにそうですね」

    獅童 「僕はクルマ好きだけど、あまりスパルタンだと疲れてしまうんです。そんな僕でも好きになれました。スポーツモードにするとまさにスポーツカーそのものの走りを楽しめるし、普通に4ドアのクルマとしても使える。さじ加減がいいですね」

    八木 「僕はロールケージを入れたコンペティティブなモデルで街乗りするのも好きですが、今回のMモデルはそのバランスの良さが気に入りました。雨の中、首都高速でアクセルを踏んだときのスポーティな加速感や直進安定性の良さにはちょっと感銘を受けました。それでいて、おっしゃるとおり4ドアの便利さもある」

    獅童 「比較的コンパクトなサイズは、街中で使い勝手がいいですね」

    八木 「あのサイズで存在感のあるデザインも魅力ですね」

    挑戦する部分と守る部分

    テストドライブしたばかりの真新しい4ドアスポーツクーペについての話で盛り上がると、「ところで……」と、歌舞伎俳優は表情を崩した。そして、かつて偶然テレビ番組で開化堂六代目当主を観ていたことを告白した。

    獅童 「京都で作家、工芸家として伝統を守りつつ、そこに若い魂を吹き込んでいる方々の特集で、それをたまたま見たんです。八木さんもそのお一人で、マインドに感銘を受けました。伝統を重んじる世界にいながら、新しいことをやってみようと思ったきっかけは何かあったのですか」

    獅童さんがバーチャルアイドルの初音ミクと共演した超歌舞伎。いままで劇場に足を運ぶことがなかった新しい層を開拓しているⒸNTT・松竹P/Ⓒ超歌舞伎

    八木 「僕は一度よそに勤め人として出てから家業に戻ったのですが、それが大きいと思います。その時にやっぱり家の仕事ってかっこいいなと、素直に思えるようになりました」

    獅童 「それは分かるなあ。僕も大学生の頃たまたまゼミで歌舞伎観劇があって、チケットを買って観たことがあります。そのとき周りの同世代の学生が『歌舞伎スゲェー』『歌舞伎おもしれぇー』と素直に感動しているのを目の当たりにして、驚いたのと同時に『かっこいいんだ! 面白いんだ!』とすごくうれしかったのを覚えています」

    八木 「それがいまの革新的な舞台創造の原点となったのですか?」

    獅童 「でもね、例えば初音ミクさんと共演するデジタル歌舞伎は、実は古典の手法に則っているんです。古典とデジタル、バーチャルの世界との融合などと、新しいことをやっているようでいて、演技手法とか衣装とかお化粧はいわゆる歌舞伎の古典に則っているんです」

    パナソニックとのコラボレーションにから生まれた茶筒スピーカー

    八木 「そういえば、うちの茶筒とパナソニックさんとのコラボレーションでスピーカーを作ったことがありますが、そのときもどれだけ茶筒に古典的な魅力を持たせるかを一番意識しました。歩み寄る部分と同時に、ここまではこっちの伝統だから変えられない、と。それはありますね」

    優れた審美眼を持つ人が選ぶクルマ

    話はセンス、審美眼にも及ぶ。その日、二人が腕にしていたのがスイスメイドを代表する、同じブランドの機械式時計だったことも、その話題に拍車をかけた。伝統を継承しつつ新たな挑戦をする者同士として、クルマ好き同士、レスポンス良く話が弾む。

    「BMWのMモデルは職人魂みたいなものを宿している」と語る中村獅童さん

    獅童 「あのクルマを選ぶ方は、なかなかの審美眼の持ち主かもしれない。BMWならではの職人魂みたいなものを宿しているし、さらにそれが濃厚なMモデルというのがまたいい。スポーティの何たるかを知り尽くした熟練職人の技、みたいなものを感じます。僕の歌舞伎も、八木さんの伝統工芸の世界も、そしてBMW Mモデルのようなクルマも、結局、つくり手の魂を感じられるものが人の心を動かすのだと思います」

    八木 「おっしゃる通りですね。僕はかつてBMW3シリーズに乗っていたことがあるのですが、ドライバーズシートに座ったときの包まれた感、安心感にもそれを感じました」

    「アクセルペダルを踏んだときの気持ちよさ、ワクワク感はさすがさすがMモデル」と語る八木隆裕さん

    獅童 「スポーティだけどしなやかでもある。見た目だけじゃなくて、エンジンや足回りをはじめ、しっかりと細部までMモデルとして妥協なく仕上げられている。そこにもつくり手の魂が感じられるし、男心がくすぐられます。これは運転してみないとなかなか分からないだろうな」

    八木 「BMW Mモデルは、そういうバランスに長けていますね」

    獅童 「BMWには『駆けぬける歓び』というフレーズがあるけど、その通りですね。特にMモデルは、何にも増してドライバーが一番楽しいクルマなんだと思います。たぶん(BMW M235i xDrive グラン クーペは)、BMWにしか造れないモデルなんだろうな」

    BMW M235i xDrive グラン クーペが携えていた“熟練と感性”がもたらすパファーマンスに刺激されたのだろう、その後もクルマ談義は尽きない。当代きっての歌舞伎俳優と、熟練の技を持つ伝統工芸家は、いつしかクルマ好き同士ならではの無垢な笑顔となっていた。

    中村獅童|NAKAMURA Shido
    歌舞俳優。1972年東京都生まれ。祖父は歌舞伎界の名門である、昭和の名女形と謳われた三世・中村時蔵。父は三世時蔵の三男・三喜雄。8歳の時に歌舞伎座にて初舞台を踏む。俳優としてテレビや映画でも活躍するほか、伝統的な歌舞伎とデジタルを融合すべく、バーチャルアイドルの初音ミクと共演するなど、常に新しい挑戦をしつづけている。2020年8月16日(日)には、その初音ミクが出演する「超歌舞伎 Supported by NTT」が、「ニコニコネット超会議2020」の中で一夜限りオンライン上演される。
    https://chokaigi.jp/2020summer/plan/chokabuki.html

    八木隆裕|YAGI Takahiro
    株式会社開化堂代表取締役。1974年京都市生まれ。京都産業大学外国語学部卒業。2017年に社長に就任。1875年に創業し、日本で初めて金属製の茶筒を手掛けたといわれる開化堂の6代目として伝統を受け継ぎつつ、ミラノサローネをはじめとするイベントやワークショップなどを通して、その魅力を海外にも発信している。
    https://www.kaikado.jp/

    Spec
    BMW M235i xDrive Gran Coupe|ビー・エム・ダブリュー M235i xDrive グラン クーペ
    ボディサイズ|全長4,540×全幅1,800×全高1,430mm
    ホイールベース|2,670mm
    車両重量|1,590kg
    エンジン|1,998cc 直列4気筒DOHCターボ
    最高出力|225kW(306ps)/5,000rpm
    最大トルク|450Nm(45.9kgm)/1,750-4,500rpm
    トランスミッション|8段AT
    駆動方式|4WD
    タイヤ|225/40R18
    価格|665万円

    引用:BMW – Web Magazine OPENERS(ウェブマガジン オウプナーズ)
    https://openers.jp/car/car_features/weBxv

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